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【修正申告】加算税や延滞税が免除される場合→正当な理由がある。加算税や延滞税についても解説【期限後申告】

*この情報は2024/6/17時点の情報に基づき記載しています。

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こんにちは、税理士の岩本隆一です。

今回は、

加算税や延滞税が免除される場合

について解説していきます。

免除されるケースが稀にあります。

事例

委託料の消費税について課税と非課税を間違えた。

という方に参考にしていただいています。

結論から先に言うと、加算税や延滞税が免除される場合は

正当な理由がある

ときです。

加算税とは

加算税は、申告をしっかりと行わなかったときに発生する罰金です。

4種類あります。

  • 過少申告加算税(期限内申告済、税率0%~15%)
  • 無申告加算税(期限内申告なし、税率5%~20%)
  • 不納付加算税(源泉所得税のみ、税率5%~10%)
  • 重加算税(仮想隠蔽あり、税率35%~40%)

過少申告加算税

過少申告加算税とは、確定申告を期限内に行ったが、申告した税額が少なく、追加で税金を支払う場合に発生します。

追加で発生した税額の10%が課税されます。

ただし、追加で発生した税額が始めに申告した納税額と50万円とのいずれか多い金額を超える場合には、その超える金額については15%になります。

過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10パーセント相当額です。ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15パーセントになります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm

税務署から指摘される前に修正申告をした場合には発生しません。

税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm

無申告加算税

無申告加算税とは、確定申告を期限内に行っていない場合に発生する罰金です。

新たに発生した税額の15%が課税されます。

ただし、納付する税額が50万円以上300万円以下の場合には20%、300万円以上の場合には30%が課税されます。

税務署から指摘される前に税率は5%に軽減されます。

各年分の無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までの部分は15パーセント、50万円を超える部分は20パーセントの割合を乗じて計算した金額となります。

(注1) 令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)については、納付すべき税額に対して、50万円までの部分は15パーセント、50万円を超え300万円までの部分は20パーセント、300万円を超える部分は30パーセントの割合を乗じて計算した金額となります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm

また、申告期限から1ヶ月以内に申告をして、期限内に申告する意思があった場合には、無申告加算税は課税されません。

(注5) 期限後申告であっても、次の要件をすべて満たす場合には無申告加算税は課されません。

1 その期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていること。

2 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。

なお、一定の場合とは、次の(1)および(2)のいずれにも該当する場合をいいます。

(1) その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。

(2) その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm

不納付加算税

不納付加算税とは、源泉所得税を納付しなかった場合に発生する罰金です。

新たに発生した税額の10%が課税されます。

税務署から指摘される前に税率は5%に軽減されます。

重加算税

過少申告加算税、無申告加算税及び不納付加算税を納付する場合に、仮想隠蔽があるときは、(過少申告加算税、無申告加算税及び不納付加算税の代わりに)重加算税が課税されます。

税率は下記のとおりです。

  • 過少申告税の代わり → 税率35%
  • 無申告加算税の代わり → 税率40%
  • 不納付加算税の代わり → 税率35%

延滞税とは

延滞税は申告期限までに納付していない場合に発生する税金です。

加算税と併せて課税されます。

税率は年によって異なります。また、期間によっても変わってきます。

 納期限の翌日から2か月を経過する日まで納期限の翌日から2か月を経過した日以後
令和6年2.4%8.7%
令和5年同上同上
令和4年同上同上
令和3年2.5%8.8%

(1) 納期限(注1)の翌日から2か月を経過する日まで

原則として年「7.3パーセント」

ただし、令和3年1月1日以後の期間は、年「7.3パーセント」と「延滞税特例基準割合(注2)+1パーセント」のいずれか低い割合となります。なお、具体的な割合は、次のとおりとなります。

令和4年1月1日から令和6年12月31日までの期間は、年2.4パーセント

令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間は、年2.5パーセント

(2) 納期限の翌日から2か月を経過した日以後

原則として年「14.6パーセント」

ただし、令和3年1月1日以後の期間は、年「14.6パーセント」と「延滞税特例基準割合+7.3パーセント」のいずれか低い割合となります。なお、具体的な割合は、次のとおりとなります。

令和4年1月1日から令和6年12月31日までの期間は、年8.7パーセント

令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間は、年8.8パーセント

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm

免除される場合

加算税や延滞税が免除される場合は、

正当な理由がある

場合です。

正当な理由とは、税務職員が税法の取扱いについて誤った指導を行った場合などに限定されます。

納税者の方から十分な資料の提出があったにもかかわらず、税務職員が税法の取扱いについて誤った指導を行い、納税者の方がその誤った指導を信頼したことにつき責めに帰すべき事由がないなど、正当な理由があると認められる事実がある場合には、加算税や延滞税は課さないこととしています。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shohi/0024004-027/pdf/0024004-027.pdf

免除されない場合

国税庁は免除されない一例として、

市町村から消費税が非課税となると聞いていた場合

をあげています。

問4.当社は市町村から「障害者相談支援事業」を受託していますが、市町村から消費税が非課税となると聞いていました。この場合、当社は加算税や延滞税について免除されま
すか。


(答)消費税法を解釈適用する行政機関ではない市町村が、自らの判断により、消費税法の取扱いについて納税者に対し誤った指導を行い、納税者の方がその誤った指導を信頼したとしても、「納税者の責めに帰すべき事由」が無いとまでは言えないことから、免除することは困難
です。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shohi/0024004-027/pdf/0024004-027.pdf

市町村は消費税を判断する機関ではないので免除されないとのことです。

理不尽ですよね。

まとめ

今回は加算税や延滞税が免除される場合について解説しました。

まとめると下記の通りです。

・正当な理由がある場合には、加算税や延滞税が免除される

今回もお読みいただきましてありがとうございました。

よい一日を!!